Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
國富 一彦; 西原 哲夫; Yan, X.; 橘 幸男; 柴田 大受
日本原子力学会誌ATOMO, 60(4), p.236 - 240, 2018/04
優れた安全性を有し、950Cの高温熱が取り出せる黒鉛減速ヘリウム冷却型の熱中性子炉である高温ガス炉は、二酸化炭素の排出削減を目的に、発電以外の多様な産業における熱利用が期待されている。日本原子力研究開発機構では、高温工学試験研究炉(HTTR)により高温ガス炉の安全性を実証するとともに、熱利用系の実証に向けた研究開発を進めている。また、産官学と連携して我が国の高温ガス炉技術の国際展開に向けた活動を進めている。本報では、高温ガス炉に関する研究開発の状況及び国内外との協力について紹介する。
笠原 清司; 今井 良行; 鈴木 孝一*; 岩月 仁; 寺田 敦彦; Yan, X.
Nuclear Engineering and Design, 329, p.213 - 222, 2018/04
被引用回数:21 パーセンタイル:90.78(Nuclear Science & Technology)原子力機構が開発を行っている商用高温ガス炉GTHTR300C(Gas Turbine High Temperature Reactor Cogeneration)を熱源とした、熱化学水素製造IS(iodine-sulfur)プロセスのフロー計算による概念設計を行った。水素製造効率を向上させる以下の革新的技術を提案し、プロセスに組み込んだ:ブンゼン反応排熱の硫酸フラッシュ濃縮への回収、硫酸濃縮塔頂からの硫酸溶液投入による硫酸留出の抑制、ヨウ化水素蒸留塔内でのヨウ素凝縮熱回収。熱物質収支計算により、GTHTR300Cからの170MWの熱によって約31,900Nm/hの水素製造が見積もられた。革新的技術と、将来の研究開発により期待される高性能HI濃縮、分解器、熱交換器の採用によって、50.2%の水素製造効率の達成が見込まれた。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 笠原 清司; 田中 伸幸; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 久保 真治
Energy Procedia, 131, p.113 - 118, 2017/12
被引用回数:22 パーセンタイル:99.79(Energy & Fuels)ISプロセスは最も研究された熱化学水素製造プロセスである。現在、原子力機構は実用材料機器を用いた設備による試験の段階にある。主な課題は、プロセス全体の成立性と過酷な環境下での安定した水素製造の確証である。そのために、耐食材料を用いた水素製造能力100L/hの試験設備を作製した。初めに、工程ごとの試験により反応器や分離器の基礎的な性能を確認した。その後、全工程を接続して運転を行い、8時間連続での10L/hの水素製造に成功した。
野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/11
原子力機構では、高温ガス炉の核熱利用技術として熱化学法ISプロセスの研究開発を行っている。工業材料を用いて100L/h規模の連続水素製造試験装置を製作した。初めに、本試験装置の各機器の機能確認を行うため、5つに分割された工程毎に試験を実施した。本報告では、5工程のうち、硫酸分解工程、HI蒸留工程及びHI分解工程の結果を示した。硫酸分解工程では、硫酸分解器による硫酸分解反応試験を行い、酸素製造量は供給硫酸量に比例することを示し、また、SO分解率は約80%であった。以上より、設計通りの性能を有していることを明らかにした。HI蒸留工程では、共沸以上のHIx水溶液を用いた蒸留試験を行い、塔頂から高濃度HI水溶液、塔底から共沸組成のHIx水溶液の生成を確認し、蒸留による分離が設計通りに行われていることを示した。HI分解工程では、HI分解器によるHI分解反応試験を行い、分解率約18%で安定した水素製造が可能であることを示し、設計通りの性能を有していることを示した。シリーズ(I)で示すブンゼン反応工程、HI濃縮工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
田中 伸幸; 竹上 弘彰; 野口 弘喜; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 笠原 清司; 久保 真治
Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1022 - 1028, 2016/11
原子力機構では、工業製材料を使用した100L/hr規模の連続水素製造試験装置を完成させた。連続水素製造試験に先立って、製作した各機器の機能確認を行うため、5つある工程の工程別試験をそれぞれ実施した。本発表では、5工程のうち、ブンゼン反応工程及びHI濃縮工程の結果を示した。ブンゼン反応工程では、供給された反応原料がブンゼン反応器において混合され、ブンゼン反応が進行しなければならない。反応原料のSOが全て溶液中に吸収されていることから、原料が確実に混合され、かつ、ブンゼン反応が速やかに進行していることを示し、ブンゼン反応器の機能が設計通りであることを明らかにした。HI濃縮工程では、製作した電解電気透析(EED)スタックを用いて、HI濃縮試験を実施した。その結果、既報の予測式に一致する濃縮性能を持つことを確認し、EEDスタックの機能確認を完了した。シリーズ(II)で示す硫酸工程, HI蒸留, HI分解工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。
Dipu, A. L.; 大橋 弘史; 濱本 真平; 佐藤 博之; 西原 哲夫
Annals of Nuclear Energy, 88, p.126 - 134, 2016/02
被引用回数:5 パーセンタイル:43.12(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉水素製造システムにおけるトリチウム移行挙動評価に資するため、HTTRの50日間の高温連続運転において、世界で初めてとなる運転中の2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度計測を含む、HTTRのトリチウム濃度計測を行った。1次冷却設備のトリチウム濃度は起動後に上昇し、原子炉出力60%において最高値1.610ベクレル/cmの(STP)に達した。その後、運転時間を通してわずかに減少した。この現象は黒鉛への化学吸着によると想定された。2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度は1次冷却設備の濃度よりわずかに低い値を示した。出力上昇過程での2次ヘリウム冷却設備は.710ベクレル/cmであった。その後、トリチウム濃度は徐々に減少し、運転終了時には2.210ベクレル/cmとなった。HTTR-ISシステムの2次ヘリウム冷却設備中のトリチウム濃度及び評価を行った結果、これらの値は制限値を満足することから、水素製造施設は原子炉施設の安全機能から除外できることを明らかにした。
稲葉 良知; 西原 哲夫
JAERI-Tech 2005-033, 206 Pages, 2005/07
本報告書では、HTTR水素製造システムにおける火災・爆発事故の解析条件を適切に設定できるように、火災・爆発解析コードシステムP2Aを構成する3つの解析コードPHOENICS, AutoReaGas及びAUTODYNを用いて、漏洩ガスの移流拡散及び爆発解析における噴流の影響,ガス爆発解析における障害物,着火点位置及びメッシュサイズの影響、及び漏洩ガスの移流拡散解析における大気安定度の影響を調べた。また、PHOENICSに大気安定度を考慮するための機能追加、及びPHOENICSとAUTODYN間のインターフェイスの改良について述べた。最後に、これらの感度解析の結果を踏まえ、実規模単一反応管試験装置及びHTTR水素製造システム対象とした可燃性流体の漏洩事故解析を2ケース行った。その結果、今回設定した解析条件下では、漏洩した可燃性ガスが爆発しても、安全上重要な建屋への影響はほとんどないことがわかった。
塩沢 周策; 小森 芳廣; 小川 益郎
日本原子力学会誌, 47(5), p.342 - 349, 2005/05
原研では、高温の熱利用による原子力エネルギーの利用拡大を目的として、高温工学試験研究炉を建設し、高効率発電,水素製造等の熱利用を目指した高温ガス炉システムに関する研究開発を進めている。本記事では、HTTRプロジェクトの研究開発を中心に、その経緯,これまでの主要な成果,現状,国際的な動向及び高温ガス炉水素製造システムに関する将来計画等を紹介する。なお、本解説記事は、文部科学省の革新的原子力システム技術開発公募事業「高温ガス炉固有の安全性の定量的実証」に関する技術開発の一環として実施された成果、並びに、文部科学省から原研が受託して実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」により得られた成果の一部である。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 稲葉 良知; 前田 幸政; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之
JAERI-Tech 2005-014, 89 Pages, 2005/03
原子炉と水素製造設備の接続にかかわる技術課題の一つとして、水素製造設備の化学反応器の負荷変動に起因する2次ヘリウムガス温度変動が原子炉へ伝播することによる原子炉スクラムの回避が挙げられる。この対策として、原研は化学反応器の下流に蒸気発生器及び放熱器を用いた2次ヘリウムガス冷却システム(以下、「冷却システム」と呼ぶ)を配置し、本冷却システムにより2次ヘリウムガスの熱過渡を吸収緩和し中間熱交換器入口2次ヘリウムガス温度を一定に制御することを提案している。蒸気発生器と放熱器を用いた冷却システムについて解析コードの検証を行った。本冷却システムは放熱器の伝熱管外を流れる空気で冷却することにより蒸気発生器の圧力制御を行い、蒸気発生器出口2次ヘリウムガス温度を一定に保持する。この圧力制御特性は放熱器伝熱管外を流れる空気の伝熱特性に支配される。このため、実規模単一反応管試験装置による試験結果から空気の伝熱特性を明らかにし、これをもとに解析を行った結果、解析は冷却システムの圧力,温度,流量及び熱交換量等の試験結果をよく模擬でき、本解析コードの検証を行うことができた。
塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 武田 哲明; 西原 哲夫; 林 光二; 久保 真治; 稲葉 良知; 大橋 弘史
Proceedings of 17th KAIF/KNS Annual Conference, p.557 - 567, 2002/04
核熱を用いた水素製造に関する開発研究が1997年1月から文部科学省の受託研究として開始された。HTTRに接続する水素製造システムはHTTRにより供給される10MWの核熱を用いて天然ガスの水蒸気改質により約4000m/hの水素が製造可能なように設計が進められている。HTTR水素製造システムは世界で初めて原子炉に接続されるものであり、実証試験を行う前に炉外実証試験を実施することとした。HTTR水素製造システムにおける制御性,安全性及び主要機器の性能を確証するために、約1/30スケールモデル炉外試験装置を建設した。炉外実証試験と平行して、安全審査や解析コード開発に必要な詳細データを取得するために、要素試験として触媒管の腐食試験,伝熱管や触媒管の水素同位体試験及び高温隔離弁の健全性試験を実施している。また,より効果的でさまざまな核熱利用に対して、ISプロセスと呼ばれる熱化学法による水素製造技術の基礎研究を進めている。本論文では原研におけるHTTR水素製造システム開発研究の現状と今後の計画を述べる。
Huang, Z.*; 大橋 弘史; 稲垣 嘉之
JAERI-Tech 2000-022, p.30 - 0, 2000/03
日本原子力研究所では、高温ガス炉、高温工学試験研究炉(HTTR)から供給される核熱(10MW,1178K)を利用し、天然ガス(主成分: メタン)の水蒸気改質反応により水素を製造する、HTTR水素製造システムを計画している。このため、HTTRとの接続の前に、安全性、制御性及び水蒸気改質システムの性能を明らかにすることを目的として、通電式加熱器を用いて中間熱交換器以降を模擬する、水素製造量に関して1/30スケール(100Nm/h)の炉外技術開発試験を計画し、試験装置の建設を行っている。一酸化炭素と水素から成る合成ガスを製造する天然ガスの二酸化炭素改質反応(CO改質)は、近年、温室ガスの低減技術として期待されており、炉外技術開発試験装置における試験の実施が検討されている。しかし、水蒸気改質のために設計された炉外技術開発試験装置を用いて、CO改質を行うにあたり、熱・物質収支計算による改質器性能の事前解析が必要である。そこで、本研究では、CO改質及び二酸化炭素と水蒸気を同時に供給し、CO改質と水蒸気改質を同時に行う場合(CO+HO改質)について、数値解析による改質器性能解析を行い、圧力、温度、原料ガス組成等の転化率及び生成ガス組成に対する影響を明らかにした。数値解析の結果、設定した定格運転時(改質器入口He温度1153K)のCO改質及びCO+HO改質のメタン転化率は、各々1085,1100Kにおける平衡転化率と等しい0.36,0.35であった。これらの結果より、炉外技術開発試験装置がCO改質及びCO+HO改質にも使用可能であることを明らかにした。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 西原 哲夫; 清水 三郎
Proceedings of International Hydrogen Energy Forum 2000, 2, p.271 - 278, 2000/00
高温ガス炉を用いた水素製造システムは、従来の化石燃料システムに比較してCOの排出量を大幅に削減できることから、環境問題へ貢献できる。このことから、原研は我が国初の高温ガス炉HTTR(熱出力30MW)に天然ガスの水蒸気改質システムを接続して、運転・制御技術を開発する計画を進めている。また、HTTR水素製造システムの安全審査のために、1/30スケールの炉外技術開発試験装置の製作を行っている。さらに、COを全く排出しない水の分解(熱化学法)による技術開発を進めている。これら原研で進めている高温ガス炉の水素製造システムの開発計画について報告する。
稲垣 嘉之; 武田 哲明; 西原 哲夫; 羽田 一彦; 林 光二
日本原子力学会誌, 41(3), p.250 - 257, 1999/00
被引用回数:10 パーセンタイル:60.61(Nuclear Science & Technology)HTTRの熱利用系として天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムを計画している。本報告書は、原子炉と水素製造システムを接続するに当たり必要な炉外実証試験計画について述べる。炉外実証試験は、(1)水素製造システムの運転制御技術の開発、水蒸気改質器等高温機器の実証を目的とした炉外技術開発試験、(2)ヘリウムガスとプロセスガスの圧力境界であるハステロイXR製触媒管の材料強度に及ぼす腐食及び水素脆化の影響を調べる触媒管健全性試験、(3)原子炉から製造された水素へのトカマク透過量の評価手法を確立する水素透過試験から構成される。炉外技術開発試験装置は、HTTR水素製造システムの中間熱交換器から下流の主要機器を1/30スケールで模擬した試験装置で、2000年に完成予定である。触媒管健全性試験及び水素透過試験は、現在実施中であり、2000年まで行う計画である。
稲垣 嘉之; 羽賀 勝洋; 会田 秀樹; 関田 健司; 小磯 浩司*; 日野 竜太郎
日本原子力学会誌, 40(1), p.59 - 64, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究の目的は、高温ガス炉水蒸気改質システムにおいて、未反応CHをリサイクルすることによりCH転化率を向上させる手法の開発である。水蒸気改質反応後の生成ガス中からポリミド系ガス分離膜を用いて未反応メタンを分離抽出し、水蒸気改質器へリサイクルする。ポリミド系ガス分離膜についてH,CO,CO,CHガスの分離特性を実験及び数値解析により明らかにし、このガス分離器を用いて未反応CHのリサイクル実験を行った。その結果、CH転化率(CH供給量に対するCHのCOへの転化量)を約20~32%向上させることができた。
小磯 浩司*; 稲垣 嘉之; 会田 秀樹; 関田 健司; 羽賀 勝洋; 日野 竜太郎
JAERI-Research 97-076, 33 Pages, 1997/10
天然ガス(主成分:CH)の水蒸気改質法を用いたHTTR水素製造システムでは、高圧・低温(4.5MPa、800C)の反応条件のため、CHの転化率は約65%の低い値に止まっている。そのCH転化率を向上させる手法の一つとして考えられたのが、改質後の生成ガス中からガス分離器を用いて、CHを分離し、改質器へ戻すことにより、実質的にCH転化率を向上させるものである。ポリイミド分離膜について、CH,H,CO,COの混合ガス中からのCH分離特性を明らかにするために、実験及び数値解析を行った。混合ガスを用いて測定した各成分ガスの透過率は、単体ガスを用いた測定値(カタログ値)に対して約1/3~1/14に減少した。CHの分離については、混合ガス中から約80%の割合でCHを回収することができ、H及びCOについては98%以上を除去することができた。これらの結果からポリイミド分離膜は、リサイクルシステムに有用であることが確認した。また、差分法による解析は透過率、モル分率分布等の実験結果をよく再現しており、分離挙動についての解析手法を確立することができた。
森 清治*; S.Zimin*; 高津 英幸
JAERI-M 93-175, 72 Pages, 1993/09
核融合炉の核・遮蔽計算において使用されるヘリウム及び水素生成断面積ライブラリーをJENDL-3データファイルに基づいて作成した。これらのライブラリーは核融合炉核設計において頻繁に使用される輸送計算用断面積セットFUSION-J3とFUSION-40と同じ群構造を有しており、反応率計算コードAPPLE-3の応答関数として使用できる。本ライブラリーはJENDL特殊目的ファイルのひとつであるJENDLガス生成断面積ファイルから処理された。1次元輸送計算コードANISNと本ライブラリーを用いた計算を行い、計算結果を過去の計算例と比較した。本ライブラリーにより信頼性の高いヘリウム及び水素の生成量の評価が可能となり、今後の核融合炉設計に役立つものと考えられる。付録には作成された多群ライブラリーをグラフ及び表の形で示した。
大江 俊昭*; 安 俊弘*; 池田 孝夫*; 菅野 毅*; 千葉 保*; 塚本 政樹*; 中山 真一; 長崎 晋也*
日本原子力学会誌, 35(5), p.420 - 437, 1993/05
被引用回数:6 パーセンタイル:55.97(Nuclear Science & Technology)高レベル廃棄物地層処分の安全評価シナリオのひとつである地下水移行シナリオにおいて、従来の解析でしばしば想定されている、(1)固化体からの核種放出は処分場閉鎖後千年目からとする、(2)ニアフィールドでは地下水は還元性である、という仮定の妥当性の検討を目的として、処分開始直後から緩衝材層が水分飽和に達するまでの時間、水分飽和後の緩衝材間隙水中の化学的環境条件、処分場内での水素発生の影響を公開コードTOUGH,PHREEQE,CHEMSIMUL等により各々解析した。その結果、(1)緩衝材層の最高温度は100C以下で地下水の冠水は数十年以内である。(2)浸入した地下水は緩衝材中の鉱物との反応により還元性となる。(3)地下水冠水までの水蒸気によるオーバーパックの腐食は無視でき、また冠水後も還元環境のため、既存の腐食実験データからはオーバーパックの腐食寿命を1000年とする仮定には裕度がある、ことなどがわかった。
竹田 武司*; 田所 啓弘; 安川 茂
JAERI-M 90-082, 44 Pages, 1990/05
本報告書は、高温ガス炉の核熱利用による水蒸気改質プロセスの低温稼動の可能性について計算コードHIGHTEXを使用して解析した研究成果をまとめたものである。本研究においては、水蒸気改質反応と水性ガス交換反応による水素製造プロセスの熱物質収支を含めた総合的な検討を行い、その際、水素製造能力は商用規模20000(Nm/hr)とした。解析の結果、低温水蒸気改質反応において生じる製品収率の低下はプロセスガス入口圧力を下げ、スチーム・カーボン比を高くすることで補えることがわかった。また、蒸気タービンの抽気蒸気を利用して原料ガスを予熱する水素製造プロセスの核熱熱量原単位およびプラント熱効率は高温ケースに対しそれぞれ0.91(Mcal/Nm)、92.4(%)、低温ケースに対し0.92(Mcal/Nm)、92.0(%)との試算結果を得た。
佐藤 章一
日本原子力学会誌, 27(5), p.403 - 410, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)原子力、特に高温ガス炉の熱エネルギーを化学的に利用して、化石燃料資源の節減あるいは代替に役立てる研究開発が行われてきた。このようなプロセス熱利用高温ガス炉と、炭化水素の改質および熱化学法による水素製造を中心とする、炉熱利用プロセスの研究開発の現状を紹介し、今後の課題を考察した。